「透明人間は密室に潜む」の衝撃再び!「入れ子細工の夜」

本格ミステリ・ベスト10のランキング第1位!
2020年のミステリランキングを席捲した
「透明人間は密室に潜む」と並ぶほどの
衝撃作が誕生。

ミステリー好きの作家が描くミステリー作品の
なんと面白いこと。
それぞれ、まったく趣きの違う作品を描いて
みせた著者。
次々と生まれるアイディアに読み手は翻弄される。

私立探偵・若槻晴海は、一冊の本を追って古書街に
現れた。古風な風貌の探偵の秘められた目的とは? 
探偵の意外な正体にぶっ飛びます。
若竹七海の「市立探偵・葉村晶」シリーズへの
オマージュが随所に感じられた。
「危険なかけ」

大学入試で犯人当てをやるという前代未聞の
入学試験。論理的思考を図る目的だが・・・・。
禁断の「犯人当て入試」狂騒曲! 
凄い。捻りの効いたミステリー作品。
「二〇二一年度入試という題の推理小説」

秘密を暴露された作家、いや、捏造された作家、
嘘と真実が裏返り続ける入れ子細工の二人劇! 
奇妙な心理戦を見せつつ、コロコロと役割が変わる。
目まぐるしく二転、三転を繰り返す!
多重どんでん返しの醍醐味に浸る!
「入れ子細工の夜」

前作の「六人」シリーズを引き継ぐ。
学生プロレスの覆面レスラーがコロナ禍にマスク着用で
大集合。もはや本人確認、不能?……
そこで起きる激熱推理合戦。
なんだ!最後の最後でそれか~!?
あまりにも見事な叙述トリックに脱帽!
「六人の激昂するマスクマン」

叙述トリック、犯人当て、多重どんでん返しとなど、
多彩なトリックでワクワクしながら楽しめた。
また、ミステリー名作への愛情と造詣が深く、
作中に登場した作品を思わずメモってしまった。
「透明人間は密室に潜む」と並ぶ面白さ。

『入れ子細工の夜』
著者:阿津川辰海
出版社:光文社
価格:1,980円 (本体1,800円+税)