夏休みの自由研究が殺人事件の捜査!?「自由研究には向かない殺人」

本屋大賞翻訳小説部門第2位!
ホリー・ジャクソン「自由研究には向かない殺人」読了。

女子高校生が、夏休みの自由研究に、自分の育った
町で起こった殺人事件の真相究明をするという
前代未聞のミステリー。
主人公・ピッパの勇気ある行動に感動!

リトル・キルトンに住む、高校生のピッパは、
5年前にこの町で起きた、17歳のアンディ・ベル
失踪事件を自由研究の題材にした。

当時の警察は、アンディ・ベルはすでに
殺されたとして、その容疑者を追っていた。
そして、容疑者扱いされたのは、サリル・シンだった。
アンディ・ベルのボーイフレンドで、アンディと
揉めていたのがその理由らしい。
しかし、そのサリルも森の中で遺体で発見された。

警察は、サリルがアンディを殺し、自殺したと
して捜査を打ち切った。

サリルと親しかったピッパは、彼が人を殺すなんて
ありえない絶対に違うと信じていた。
そして、サリルの無実を証明するために自由研究を
口実にし関係者を調べることにしたのだ。

情報の主な入手方法は、関係者へのインタビューだ。
アンディや、彼女の友人たちのSNSからも情報を
入手した。
やがて、サリルの弟・ラヴィがピッパの相棒となった。
心強い味方を得たピッパは、ラヴィとともに
さらに踏み込んで行く。

すると、身近な人物が容疑者に浮かんでくる・・・。

女子高性が、関係者にインタビューしたり、
彼らのSNSから様々な情報を得るなどして
事件の真相に迫ってゆく過程。
普通だったら聞き逃したり、見逃したり
するけれど、ピッパの推理力と洞察力が
凄かった。このあたりはが謎解きとして
読み応えがあった。
危険を顧みずに、潜入しちゃうろころは
ハラハラドキドキ。

大切な人のためになんとしてでも事件の真相を
明らかにしようとするピッパの勇気ある行動に
心が揺さぶられた。

『自由研究には向かない殺人』
著者:ホリー・ジャクソン/服部京子訳
出版社:東京創元社
価格:¥1,540(¥1,400+税)