古書を守れ!神田神保町古書店主たちの闘い!「定価のない本」

本好きならば誰もが一度は
行ったことがある「神田神保町古書街」
終戦当時、日本の文化を守るために
GHQと熾烈な文化戦争が繰り広げられていた!?

終戦から一年後、神田古書街は復興の兆しを
見せつつあった。
古典籍を専門に販売する、神田神保町の
古書店主・正司。
ある日、懇意にしていた古書店主・芳松が
本の下敷きになり、圧死した。
家族ぐるみのつきあいだった正司は
事後処理をひき受ける。

だが、正司はその死に疑問を持つ。
事故死ではなく、殺人ではないか・・・?
事後処理中、正司は何者かに襲われる。
そこを、GHQのハリーという兵士に
助けられる。
彼は、正司に参謀本部のジョン・C・ファイファー
少佐のもとに行くように言った。
正司は、少佐から芳松はスパイの疑いが
あること、芳松を殺したのは妻のタカ
ではないかと告げられる。
少佐からタカを追えと支持を受け、タカの
実家へと行くが・・・。

この当時、古書店は厳しい状況にあった。
GHQの日本統治で国民は貧しい暮らしを
余儀なくされていた。
正司がGHQの指示に従ったのは、家族の
ためだった・・・。

だが、それは知らず知らずのうちに日本の
歴史や文化の喪失に手を貸す行為だった。

GHQの日本人に対する恐ろしい計画。
それを知った正司は、計画を阻止しようと
立ち上がる!

終戦直後の神田古書街の奮闘、
徳富蘇峰など実在の人物を配して
貴重な古書・古典籍を語らせるなど、
神田神保町古書街の歴史もわかる。

めちゃめちゃ面白い、古書店ミステリー。
本好きの人に超おススメ!

あの古書街にこんな歴史があったなんて!!

『定価のない本』
著者:門井慶喜
出版社:東京創元社(文庫)
価格:¥858(本体¥780+税)