「巨悪」に挑む男!「地検のS Sが泣いた日」

伊兼源太郎さんの「地検のS」シリーズ
第2弾「Sが泣いた日」を読了。
湊川地検の総務課長・伊勢雅行の
真の狙いが徐々に明らかになる!

特ダネを上げろと上司からプレッシャーを
かけられる新聞記者。
暴力団員の遺棄致死の裁判でのらり
くらりと検事の質問をかわす証人。
トラブルメーカーの男の弁護を
引き受けた女性弁護士の苦悩。
政治資金規正法違反の疑いのある
政治家をかばう前科のある主婦の
自白をとれと迫られる女性検事。
政治家の闇献金疑惑に関するメモが
紛失し、必死で捜索する総務課員。

そのすべての事件の裏側には、伊勢がいた。
湊川地検の総務課長・伊勢雅行は
いったい何者なのか?
長年、総務課長の席にあり、湊川地検の
すべてを知る男。
伊勢雅行という男の影の働きをほのめかす
内容だった。

「Sが泣いた日」は伊勢雅行自身が主人公。

次期与党総裁候補の吉村泰二に闇献金疑惑が
浮上した。
湊川地方検察庁は、その証拠固めを急いでいた。
その金の受け渡しを目撃し、話をすると
約束した二人のホステスが行方をくらませた。

総務課長の伊勢は、盟友である事務官の
久保と独自に調査を始めるが・・・。

伊勢と事務官の久保には悲しい過去があった。
それは、次期総裁候補・吉川泰二とその父親
に関わることが原因だった。
彼らが何をしてきたのか?
伊勢と久保は彼らが行ってきたことを
白日の下に晒すことが真の狙いだ。

伊勢にとってこの「闇献金疑惑」は
吉川泰二を潰す絶好の機会だととらえた。
しかし・・・またしても悲劇が彼を襲う!

収賄疑惑がかかる大物政治家VS地検の
影の実力者。

何が何でも「巨悪」を潰す!
伊勢は正義を貫くことが出来るのか?

切れ者たちの策謀が渦巻く。
誰が味方で誰が敵なのか?
息をのむほど「超」スリリングな展開に
翻弄される!

検察ミステリーの極致。

『地検のS Sが泣いた日』
著者:伊兼源太郎
出版社:講談社(文庫)
価格:¥748(¥680+税)