依頼人はヤバすぎる!?「黒野葉月は鳥籠で眠らない」

織守きょうやさんのミステリー作品が
気になって「黒野葉月は鳥籠で眠らない」を読了。
一筋縄ではいかない依頼人の相談に
必死に応える、新人弁護士・木村。
しかし彼らの依頼はちょっとヤバかった・・・。

超絶どんでん返しに唖然・・・・。
4つの短編を収録。

家庭教師の男子大学生が、教え子への
淫行容疑で逮捕された。
彼の弁護を担当する、新人弁護士・木村は
示談に持っていこうとするが、彼は
示談の際に提示された条件を拒否。
困った木村のもとへ被害者とされる
女子高生が現れた・・・。
【黒野葉月は鳥籠で眠らない】

木村は旧友の妻から「夫が逮捕された」と
知らされた。妻に事情を聞くと、旧友は
実家に不法侵入したらしい。
旧友の息子が難病にかかりその手術代のため
金目のものを盗もうとしたのだ。
木村とともに父親に会いにいき、事情を
話し許しを請うつもりだったが、
逆に相続人から排除すると言われる。
そして、そのあと旧友は父親殺害で逮捕されるが・・。
【石田克志は暁に怯えない】

木村は行きつけのお弁当屋の女性店員から
相談を持ちかけられる。
女性店員の幼馴染の男性の離婚や親権に
ついて相談に乗って欲しいという。
その男性は、妻の不貞を理由に離婚して
子どもの親権を得たいということだった。
木村が男性の仕事や日常のことを聞くと
親権は男性の方にメリットがあるようだった。
女性店員からも幼馴染の気持ちに沿うように
と頼まれた。木村は彼らの依頼通りの
結果を出した。だが木村はとんでもない
思惑に気づいてしまう・・・。
【三橋春人は花束を捨てない】

大物芸術家の財産管理を任された木村。
先輩の高塚とともに挨拶に行くと、美しい
女性に出迎えられた。
木村は「奥さん」と思ったが、高塚が
の話だと「娘」とのこと。
木村はその後何度かその家を訪ねた。
そして決定的な場面を目撃してしまう!
まさか・・・と思いつつ、女性に問い
ただす木村だったが・・・。
【小田切惣太は永遠を誓わない】

新人弁護士・木村がベテラン弁護士・
高塚のアドバイスを受けながら4つの
依頼を解決する。

「絶対に欲しいものが決まっている人が
どれだけ強くて怖いものかを・・・」
高塚が木村に言った一言。

彼らは一番欲しい物を手に入れるため、
一番大切なものを守るために何をしたのか?
それが分かった時、背筋が凍る展開も
あれば、愛情の深さに心を打たれる
感動の展開もある。
常識を超えたところに解決策を見出した
超絶どんでん返しだ。

感動と戦慄の結末に絶句する、リーガルミステリー。

『黒野葉月は鳥籠で眠らない』
著者:織守きょうや
出版社:双葉社(文庫)
価格:¥770(本体¥700+税)