戦慄のサスペンスミステリー「花束は毒」

読みたかった織守きょうやさんの
「花束は毒」を読了。
随所に仕掛けられた罠に絶句!!

中学生の時に、木瀬の従兄はいじめを受けていた。
それを解決したのが木瀬の1年先輩の北見理花。
彼女が解決してくれたおかげで従兄は
いじめから解放された。
しかし、その「解決」に疑問を持った木瀬は
心に棘のようなものが残ってしまった。

それから六年後、木瀬はかつての家庭教師・
真壁と出会う。
当時はイケメンで快活、医者志望で女子に
人気があったが、再会した真壁は別人のように
変わっていた。

それでも木瀬との再会を喜び、久しぶりに
一緒に食事をした。
近ぢか結婚する予定であることを少し
照れくさそうに話した。
ところが、木瀬が真壁をアパートに送って
行ったとき、ゴミ箱からくしゃくしゃに
なった手紙を発見する。
それは脅迫状のようなものだった。

度々脅迫状が来るという真壁の話に衝撃
を受けた木瀬は、真壁に調査会社を通して
調べてもらうことを提案する。

探偵事務所を探してたどり着いたのは、
中学時代の先輩・北見理花がいる事務所だった。

木瀬は北見に事情を話して、真壁から連絡が
きたら協力して欲しいと頼む。

しかし、真壁から北見に調査の依頼は無かった。
業を煮やした木瀬は、真壁の代わりに調査を
依頼する。
北見と二人で真壁の周辺を調べ始めると、
真壁が大学を中退し医者の夢をあきらめたと知る。
そして、真壁にはその脅迫者を追及できない理由が
あった・・・・。

二人の調査によって明かされる真壁の過去。
脅迫者とは誰なのか?
謎は深まり、混迷してゆく・・・。

何者かの巧緻な計略によって、幾重にも
張り巡らされた罠。
誰もがその罠にはまってゆく。

読み進め、真相がわかった時には鳥肌が
たってしまった。
読了した後、呆然自失。
そして徐々に背筋が凍るほどの衝撃が
襲いかかる。

更にラストに提示された深すぎる問い。
自分だったらどうするのか?
その答えは・・・・!?。

『花束は毒』
著者:織守きょうや
出版社:文藝春秋
価格:¥1,870(本体¥1,700+税)