ユーモアミステリー、こちらの作品もおススメ!『被害者は誰?』

東川篤哉先生の作品全部読みつくしちゃって、次のユーモアミステリーを探している、読者の方々におススメの作品があります。貫井徳郎『被害者は誰?』(講談社文庫)です。

貫井徳郎さんと言えば、朝日新聞社『乱反射』(日本推理作家協会賞受賞作)、幻冬舎『後悔と真実の色』(山本周五郎賞受賞作)などのような、硬派な社会派ミステリー作品が多いですが、意外にもこのようなちょっとはじけた作品もあったとは驚きでした。はじけていると言っても、ミステリーとしての謎解きは一級品!!

美しく才能豊か、だけどかなり性格の悪い安楽椅子探偵・吉祥院慶彦と、ちょっと気弱で苦労症の刑事・桂島が活躍するコミカルな本格ミステリー短編集。表題作『被害者は誰?』ほか『目撃者は誰?』、『探偵は誰?』、『名探偵は誰?』の4編。いずれの作品も読者の意表をつく‘いたずら’が随所に盛り込まれ、無理のないミスリードで楽しく読める!読み出したら止まらない、貫井さんの隠れた名作!です。

『被害者は誰?』
著者: 貫井徳郎
出版社:講談社
価格:¥619(税別)