傑作警察小説!道警シリーズ第5弾『密売人』

「笑う警官」で佐々木譲さんの描く警察小説にはまってしまいました。
面白いのにまだあまり紹介できずにいました。
道警シリーズはすでに6作品出ています。
「密売人」はこのシリーズの中でも私の好きな作品です。

密売人

秋も深まる北海道で、ほぼ同時期に三つの死体が発見された。
函館の転落死体、釧路の溺死体、小樽の焼死体。
それぞれ事件性があると判断され、津久井卓は小樽の事件を追った。
同じ頃、小島百合は札幌で女子児童が何者かに車で連れ去られたとの通報を受けた!
偶然とは思えない三つの不審死と誘拐。津久井、小島は佐伯に相談!
1件は、以前道警の刑事のS(情報提供者)だと判明。
次第に明らかになる不審死の正体。
次は自分の協力者が標的になると直感した佐伯は、一人裏捜査を始めた。

「笑う警官」以降、警察内部の不祥事は粛清されたものの、
問題になった刑事たちは、何らかの方法で警察を辞めさせられていた。
その中には正しい警察官もいたのだが・・・。
腐った警官のまま警察を辞めた者たちの行く末はどうなっているのか?
佐伯たちにはわからない。事件の行方と協力者たちの命・・・・。
佐伯はなんとしてでも、協力者の命を救うと決心する。

警察組織の中で「正しい警察官」であろうとすることは
難しいのか?
だが、正義を全うしようとする佐伯たちの行動が清々しい!

続きが必ず読みたくなる、傑作警察シリーズ。

『密売人』
著者:佐々木譲
出版社:角川春樹事務所
価格:¥629(税別)