‘超’ダーク・ミステリー!『ケモノの城』

誉田哲也さんの最新刊、「ケモノの城」を読みました。
実際に起こった監禁殺人事件を元に描かれた、
今まで感じたことない衝撃的な作品です。

ケモノ

物語の発端は、17歳の少女が保護されたことから始まる。
痩せて薄汚れた少女は、病院で診断された結果、
長期にわたる虐待の痕跡があった。
警察は、少女の供述から、一緒に暮らしていた‘アッコ‘
という女性から話を聴くことになる。
アッコの口から語られる監禁・虐待・連続殺人。
それはまるで地獄絵図ようだ!
取り調べた刑事・木和田はにわかには信じられなかった。
百戦錬磨の刑事たちを深い闇に突き落とす、
身の毛がよだつ、恐ろしい事件の真相・・・・。

人間の顔をした、モンスターの鬼畜犯罪・・・。
一人の男が、交際する女性やその知人、やがて家族までも
マインドコントロールし、恐怖で支配し使い物に
ならなくなれば、家族同士で殺し合いをさせる。

壮絶な悪意と暴力、その描写に目をそむけたくなる。

作中、登場人物の一人が語る言葉が恐ろしい。だが、胸に迫る!!
‘奴らは人間ではない。奴らは他の人間を同族と思っていない。
人間の顔したバケモノ。
人間を単なる獲物としか見ていない。人間を狩るために、擬態している。
こんな奴らに対して人間が出来ることは徹底的に接触を避けること
もし接触してしまったら戦うしかない!’

こんなバケモノに誰しも出会うかもしれないと思わせる!

誉田先生、この作品を描くことほんとにつらかったと思います。
それでも誉田先生がフィクションにして伝えたかったことが
何なのか・・・・?自分なりにわかったような気がしました。

『ケモノの城』
著者:誉田哲也
出版社:双葉社
価格:¥1,600(税別)