ノスタルジー感じられる「退職刑事」シリーズ

西澤保彦先生のトークイベントで先生が紹介された、
「退職刑事」シリーズ。都筑道夫著。
日本の安楽椅子探偵ものでは、傑作中の傑作シリーズです。
その第1巻目を読みました。
表紙のイラストが70年代ぽくっておしゃれです。

退職刑事

昔は優秀な刑事だったが、引退して悠々自適の生活をする退職刑事の父親と
現役の刑事である息子。
息子は事件の話はあまりしないように努めるのだが、捜査に行き詰まってしまうと
ついつい父親に話してしまう。
‘昔は硬骨で鳴らした刑事だったが、今や恍惚の境に入りかけた父親’
という父親への愛情を深く感じさせる息子の決まり文句で始まる、
推理短編。

お茶の間で繰り広げられる、父親と息子の団欒風景。
実は殺人事件の恐~い話。
「写真うつりのよい女」「妻妾同居」「狂い小町」「ジャケット背広スーツ」
「昨日の敵」「理想的犯人像」「壜づめの密室」の7編を収録。
どの作品も秀逸!
退職刑事の、発想の転換と論理のアクロバットが冴える!
現職刑事も目からウロコの名推理です!!

『退職刑事1』
著者:都筑道夫
出版社:東京創元社
価格:¥600(税別)