圧倒的な臨場感!「土漠の花」

「機龍警察」シリーズ著者、月村了衛氏の新刊
「土漠の花」を読みました。
胸にズンッ!と響いた作品。

土漠

ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索活動にあたっていた
陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。
その野営地に民族間抗争で命を狙われている
3人の女性が助けを求め駆け込んできた!
その時、四方から銃声が轟き女性二人と空挺団の隊員が射殺された?!
そこから壮絶な撤退戦が始まる!
武器も土地鑑もない、通信手段も皆無!
さらに自然の猛威が牙をむく。
最悪の状況の中、男たちは命をかけて女性を守る!
彼らは自衛隊活動拠点に生きて帰ることは出来るのか!?

次々と襲撃してくる敵!なぜここまで激しい
攻撃が続くのか!?
武器もなく救援要請する通信手段もない絶対的不利な状況で、
仲間たちが次々倒れてゆく。だが悲しみに浸る間もなく、
残された者たちは命をかけて、女性を守り撤退を続ける・・・・。
仲間たちが遺していった覚悟と勇気を胸に!!
彼らの使命感と、仲間たちの絆に胸が熱くなる!

ほぼ全編戦闘シーンだ!
絶対に死なない!生きる!無残に殺された
仲間の死を無駄にはしない!生きるために
闘う!その想いが全編にあふれ、戦闘シーンは
圧倒的な臨場感で迫ってくる。
感動と興奮が押し寄せる、凄い作品!

自衛隊員が女性を守るためとはいえ、
海外派遣中に銃撃戦に巻き込まれ、戦闘状態に陥った!?
衝撃の展開で、こういう事態になったら本当に
どう対処するのか真剣に悩む!
集団的自衛権の行使という、今後の日本の行く末を左右する
重要な課題に一石を投じている。
この本を読んだら絶対に考えてしまう!

『土漠の花』
著者:月村了衛
出版社:幻冬舎
価格:¥1,600(税別)