大友刑事の原点!「アナザーフェイス」外伝

[堂場瞬一さんの警察小説シリーズの中で
はまさきがもっとも好きなシリーズ
「アナザーフェイス」。
刑事部総務課に勤務。
一人息子を男手ひとつで育てる
イケメン刑事・大友鉄の原点「アナザーフェイス0 親子の肖像」。

捜査一課での事件、妻・奈緒を失ってから刑事総務課へ
異動となった大友刑事の姿が描かれている短編集。

アナザー0

「取調室」「薄い傷」「親子の肖像」「隠された絆」では
捜査一課時代の大友鉄が鋭い洞察力で事件を解決してゆく
過程が描かれている。彼の警察官らしくない丁寧さ、優しさが
感じられとても好感が持てる。さらに妻・奈緒との絆、
息子誕生で感激する大友刑事・・・しかしその後の絶望を
予感すると切ない。
「薄い傷」では、テレビ番組「刑事に密着24時間」に協力することに
とまどう大友刑事たちがちょっとおかしい。

「リスタート」では、妻・奈緒が交通事故で突然亡くなり
茫然自失する大友刑事の姿が切なすぎてちょっとつらい。
しかし、仕事は容赦なく彼を現実の世界にひき戻す。
福原捜一課長や、同期の柴刑事などの気配りに次第に
絶望から希望へと気持ちを切り替える大友刑事。
一人息子との生活を最優先するために「刑事総務課」への異動を
願い出でる。だが、大友鉄の刑事としての優秀さを信じる
福原捜査一課長は、彼の希望を優先しつつ、捜査に参加させようと
画策する。
「見えない結末」では、刑事総務課へ異動した大友鉄が
所轄で起きた事件の特捜本部に行くよう命令される。
果たして大友は福原の思いに応えることが出来るのか?

この短編集を読んで、益々大友鉄刑事が好きになりました。

『親子の肖像 アナザーフェイス0』
著者:堂場瞬一
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥550(税別)