胸に迫る!感涙ミステリー「半落ち」

警察小説の金字塔「64」が文庫化され
既刊本も注目されています!

本の学校今井ブックセンターでは、
「はまミス」コーナーで「64文庫化記念ミニフェア」を
既刊本も一緒に展開中です。

半落ち

横山先生の作品ではまさきの好きな作品は、
「半落ち」です。

元・警察官の梶が、自宅で妻の首を絞め、殺害したと自首してきた。
上層部からの命令で梶の取調べを行うのは志木警視正。
認知症に侵された妻を殺害した動機や経緯、殺害方法などすべて素直に
話し、ほぼ「完落ち」の状態だった。
だが、梶は妻を殺害してから自首するまで、2日間もかかっている。
志木はその点を追求したが、梶はこの空白の2日間について一切の供述を拒否した。
その後、家宅捜索と新聞社の調査によって、梶は歌舞伎町に
いたらしいという情報をつかんだ。
また、家宅捜索で梶の家には「人生五十年」という奇妙な書が
残されていた。

志木は、梶が妻を殺害せざるを得なかった事を鑑み、
じっくり供述をとれば良いと考えていた。
だが、上層部のいらぬ懸念のせいで、梶は虚偽の供述を
強要される。
事件は検察にまわされ、志木と面識のある検事によって
供述が捏造であると見抜かれてしまう。
そこから、警察内部の調査を進めようとする・・・。

事件は、志木警視正、新聞記者・中尾、裁判官・藤林の3人の
視点で交互に描かれている。
梶の事件から、警察内部の隠蔽、検察内部の腐敗、新聞社の
スクープ抜きの内幕まで非常にリアルに描かれていて面白い。
また、梶の妻への想い、梶の事件に思いを馳せる裁判官・藤林の過去など
人間描写も奥深く、胸に迫るものがある。
初公判では、警察、検事、弁護士も「空白の2日間」については
口を閉ざした。
そこまでして、隠し続けた「空白の2日間」の真相とは!?
衝撃と慟哭、そして読者を驚愕させ感動の渦に巻き込んだ物語の終結とは!?

類稀なる、感涙の警察ミステリーです。

『半落ち』
著者:横山秀夫
出版社:講談社
価格:¥590(税別)