人間も震えた!社会派ミステリー「震える牛」の凄さ

今話題の社会派ミステリー小説、小学館『震える牛』相場英雄著 を読みました。帯びにもありますが、’今年のミステリー小説、早くもベスト1!’読んで私もそう思いました。ただのミステリー小説ではありません。
あくまでもフィクションですが、内容はノンフィクションに近い説得力があります。

迷宮入りしそうな目立たない事件を地味に捜査する、ベテラン刑事・田川は、2年前あるレストランで起こった強盗殺人事件を捜査するうちに、全国展開をしている大型SCの不正に行き当たる。
同じ頃、ネットニュース専門の記者が、その大型SCの新たな戦略についてきな臭い事実をつかむ。SCの番頭でもある、滝沢は必死に隠そうとするが・・・・。

田川刑事の地取り、鑑取りにこだわる捜査は、とてもリアル。そこからひとつひとつ関連性を見出し、事件の真相に迫るところは本物の刑事捜査の過程を見ているよう。

また、事件の背景には消費者を無視し、経済活動だけを重視した大型SCの権力構造を描いている。しかもその内容は、あまりにもリアル!!!!!
私たち、もしかしてとんでもないものを食べているのか・・・と震えてしまう。

現代日本の病巣をあまりにもリアルに描いているので、ちょっと恐いです。覚悟して手にとってください。

グループセンター店での展開。たくさん積んであります。

『震える牛』
著者: 相場英雄
出版社: 小学館
価格: ¥1,600(税別)