刑事・オリヴァ―&ピアシリーズ「悪女は自殺しない」の展開が凄い!

ドイツ本国では、シリーズ累計550万部突破している
超人気ミステリーシリーズ、
「刑事・オリヴァ―&ピア」。
日本では「深い疵」と「白雪姫には死んでもらう」と本書の3作が
翻訳され発売されている。

本書「悪女は自殺しない」は実はシリーズ第1作目なのだ。
日本ではシリーズ順に発売されなかったため、オリヴァ―とピアが
初めて一緒に仕事をするシーンがなんだか嬉しい。

それにしても、難解な事件だ!

悪女は自殺

プライベートな事情で警察署を休職し、やっと復帰したピア・キルヒホフ。
彼女を待っていたのは、上級検事の飛び降り自殺だった。
著名な人物の自殺とあってマスコミは一斉に報道。
そして同じ頃、飛び降り自殺に偽装された若い女性の遺体が発見される。
調べてみると、動物の安楽死に使われる薬物による毒殺で、
獣医の夫や、その夫が働く馬専門の動物病院の共同経営者たちが疑われる。

ホーフハイム刑事警察署に新たに赴任してきた、首席警部、
オリヴァ―・フォン・ボーデンシュタインは、女性の墜死
事件について調べ始めると、被害者女性へのとてつもない
憎悪があきらかになる。さらに背後に隠されていた事件
が次々と繋がり始める。

悪女をとりまく女たちの嫉妬、裏切り、羨望、悪意
憎悪。人間の闇の心を暴き出す。そしてそれは、
恐喝事件から、殺人事件へと発展する。
あまりの多くの人間に殺害動機があったため、ピアと
オリヴァ―は関係者を丹念に洗った。・・・
そこに浮かび上がってきたのは隠されていた人間の本性!と
莫大なお金への執着心。
お金と女がからむと絶対に事件に発展する、その
お手本のようなストーリーだ。
一体真実はどこにあるのか?
犯人逮捕に焦るオリヴァ―が思い込みだけで犯人を
断定するシーンは実にリアル!!

シリーズ第1弾の面白さは半端じゃない。
ここから「オリヴァ―&ピア」シリーズが始まる。
このシリーズの原点。ご堪能あれ!

『悪女は自殺しない』
著者・ネレ・ノイハウス著/酒寄進一訳
出版社:東京創元社(文庫)
価格:¥1,200(税別)