言葉のパワーが迸る!竹宮ゆゆこ「砕け散るところを見せてあげる」

はまさき、ラノベ系はあまり読まないのですが、
出版社編集さんの「絶対に損はさせません」
「絶対面白いです」との強烈オススメコメントに惹かれ、
読んだのがこの作品です。
新潮文庫nex『砕け散るところを見せてあげる』竹宮ゆゆこ著。

ほんとに、おっしゃる通り凄く面白かったです。

砕け散る

大学受験を間近に控えた高校3年生の濱田清澄は、ある日、
全校集会で一年生の女子生徒がいじめに遭っているのを目撃した。
割って入る清澄だったが、彼を待っていたのは、助けたはずの後輩、
蔵本玻璃からの「あああああああ!」という絶叫だった。
自分は一体何をしたのか?
その日から、清澄は玻璃のことが頭から離れなくなる。
また、ある日清澄は学校の帰りに、公衆トイレで女子生徒の
怪しい動きを見かける。
清澄はどうしても気になり、女子トイレに入るとそこには
後輩の玻璃がびしょぬれで寒さに震えていた。
すぐにでも助けないと死んでしまう!
清澄は玻璃を必死で救いだし、自分の家に連れて帰った。
近所のクリーニング屋のおばちゃんに頼んで制服を速攻で
乾燥させ、何事もなかったように家に送り届けた。
この日から二人は急接近!
清澄は玻璃がいじめに遭わないか見張る日々。
しかし、二人の時間はいつも、玻璃の門限によって
中断される。どうしても家に帰らないと・・・・。
玻璃には誰にも知られたくない秘密があるようだった・・・・。

その秘密とは何か?
“死んだ二人”とは、誰か?
やがて玻璃の素顔とともに、清澄は事件の本質を知る・・・・。
清澄は、玻璃を最後まで守り通す覚悟をする!

今までの小説の概念を打ち砕く言葉のパワー。
そして、主人公の二人の熱い熱い想いにひたすら感動!
「ヒーローになる!」「お前を守る!」などなど、普通の
青春小説ならばくさいセリフのはず。でもこの作品には
この言葉こそふさわしい。

ラストまでぐいぐい読ませるパワーあふれる、青春ミステリ!

『砕け散るところを見せてあげる』
著者:竹宮ゆゆこ
出版社:新潮社(文庫)
価格:¥590(税別)