大江戸科学捜査八丁堀のおゆう第2弾発売!

このミステリーがすごい大賞」の隠し玉としてデビューした
山本巧次氏の「大江戸科学捜査八丁堀のおゆう」。
あまりにも面白くて、前回紹介した時に早くシリーズ化してほしい
と書いたように思う。

そして5月、文庫新刊コーナーの棚を何気なく見ていたら、
「あっつ!」発見しました。読みたかったあ~第2弾。
何とグッドタイミングなんだ!

第2弾は、「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 両国橋の御落胤」です。

江戸科学捜査

平成の現代と江戸を往復する2重生活を営む
元OLの関口優佳。江戸ではおゆうと名乗っていて
なぜか頼りにされている。

そのおゆうに、小間物問屋の主人から息子が
実の子どもかどうか調べてほしいと相談を受ける。

またもや難儀なご依頼におゆうは閉口するも、
頼まれたら嫌とはいえないし、さらに相談の内容に
興味津々となり、快諾することに。
出生に関して、小間物屋の主人に聞いたところ、
産婆のおこうから強請まがいの手紙が届いたとの
ことだった。
おゆうはまず産婆のおこうの居場所を調べ、訪ねるが
在宅の様子はない。ところがそこには同心の伝三郎がいた。

伝三郎もさる大名の御落胤に調べていたのだ。
二人はお互いの事情を共有し、おこうの行方を追うが、
いっこうに見つからない。

おゆうにとって、親子鑑定など朝飯前だ。
小間物屋主人のDNAと息子のDNAを調べ親子鑑定してもらうのだ。
だが、親子のDNA鑑定など江戸では全く意味がない。
二人が親子だということをきちんと証明せねばならない。
そこでおゆうは、知り合いの藪医者を使って、骨相学なるもので
親子鑑定が出来ると言った。
そしておゆうは秘かに現代に戻り、分析ヲタクに親子鑑定を
依頼した。二人は間違いなく親子だ。産婆が嘘をついている。
だが、その証明を骨相学で納得させることは難しかった。

おゆうは仕方なく別の策を考える。

そんな時、小間物問屋の息子が何者かに襲撃される!

今回は、ある大名家のお家騒動に巻き込まれてしまう!
その大名家では、将軍家斉の息子を養子に迎えるために準備を進めていたが、
突然、殿さまには御落胤がいるとの話が浮上!
それが、小間物問屋の息子だという!
御落胤を担いで実権を握りたい派と将軍の後ろ盾が欲しい派と
真っ二つに割れているのだ。

だが、小間物問屋の息子は御落胤などではない。
それを江戸でどうやって証明するのか!
今回ばかりはなかなか上手い策が見つからず焦るおゆう。

そうこうしているうちに、産婆・おこうの死体が発見される!

現代の科学捜査を江戸の捜査にあわせて、いかに事件の真相を解くのか?
今回は事件の発端である、小間物問屋の親子は実の親子と
最初からわかってしまうが、それを納得させる機会を逸し、
事件がどんどん進行してしまい、殺人事件に発展!

だが、おゆうの機転と意外な発見で、犯人を追いつめるのだ!

前作を上回る面白さでいっき読み。
時代小説にSFファンタジーと本格ミステリの味付け!
第3弾はいつ出るのか?楽しみです。

『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 両国橋の御落胤』
著者:山本巧次
出版社:宝島社(文庫)
価格¥640(税別)