2015年の日本ホラー小説大賞 大賞受賞作!
「ぼぎわんが、来る」澤村伊智著。
何だろう・・・「ぼぎわん」て・・
気になって検索したら、出版社のWEBサイトの「ぼぎわん」
ページに辿り着き、読んだら物凄く面白そう!
怖いと思うより読みたいという気持ちが強く働き、
ホラー小説は基本的に苦手なくせに、読みました。
いや~~~~。物語の面白さと「ぼぎわん」の怖さにぶっ飛びました。
久しぶりに‘超’面白怖いホラー小説を読みました。
それもそのはず、選考委員の方々が絶賛していらっしゃる。
小学生の時、奇妙で怖い体験をした、田原秀樹。
だが、大人になり結婚し子供を授かった。
ある日、田原に奇妙な事件が起こる。
会社に女性が訪ねてきたと同僚が教えてくれた。
だがその女性は妙な事を言ったという。
「チサさんはいますか?」と・・・。
田原の妻は妊娠中で出産を控えていた。
生れた子どもが女の子だったら、娘に
「知紗」と名づけるつもりだったのだ。それがなぜ・・・?
その時、知らせてくれた同僚の異変に気づいた!
ワイシャツの腕が真っ赤に染まり、血が
流れ出ていた!?悲鳴を上げる同僚。
一体何が起こったのか!?
やがて、娘が生まれ、知紗と名付け、妻と3人で幸せに暮らし、
SNSでパパ友の会を立ち上げイクメンを気取った。
だがある日異変が起こる!家に置いていたお守りが
ずたずたにされており、妻子は恐怖に震えていた。
田原はすぐに友人の民俗学者に相談する。
その時またもや、自分の家族を呼ぶメールが届く。
危機を察した田原は、オカルトに強いライターを紹介され、
その伝手で比嘉真琴という霊媒師に出会う。
だが、真琴から言われたのは「奥様を、娘さんを愛してあげて
ください。」たったそれだけだった。
田原は怒りを通り越し、強い憤りを感じた・・・。
しかし、真琴の田原に対する指摘は的を得ていたのだ!
子どもを狙う「ぼぎわん」。それは伝承の中の怪物。
家族に隙間が出来るとそこにつけ込み、子どもをさらおうとする
怖ろしい怪物だ。
霊媒師・比嘉真琴をもってしても消滅させることができない。
他の霊媒師と力を合わせ、ぼぎわん退治に乗り出すが、
一人の霊媒師が「こんな恐ろしい者、よばないと来ない」と
謎の言葉を残し去ってしまった。
得体の知れない何かに脅かされる主人公。
じわじわと何か恐ろしい者に魅入られたのだと気づく。
それが子供のころの体験から来るているという伏線。
ぼぎわんがなぜ田原の子どもをさらおうとするのか?
呼ばなければ来ないという意味は何か?
ぼぎわんの恐ろしさが際立っている!
そしてさらに、「ぼぎわん」が現れた真相に驚愕する。
得体の知れない怖ろしい怪物との闘いと、
それがなぜ現れたのかを追うミステリー仕立て。
とんでもなく恐い!とんでもなく面白いホラーミステリーだ!
『ぼぎわんが、来る』
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA
価格:¥1,600 文庫版:¥680(いずれも税別)