後宮入り前の関小玉の活躍を描く!紅霞後宮物語第零幕シリーズ1巻!

30歳でいきなり皇后になってしまった、稀代の天才軍人・関小玉。
後に神格化され、武芸と子どもの守護神として愛され続ける。
そんな彼女は、なぜ軍人になったのか・・・?
後に皇帝となり、彼女の夫にもなる文林とはいかに出会ったのか・・・?

皇后になる前の彼女の生き様もまた伝説だ。

紅霞零幕

小さな田舎町に、関小玉は生まれた。
父はとうに亡くなり、母と足の悪い兄と3人で
慎ましく暮らしていた。
兄にはなかなか嫁の来てがなかったが、小玉の親友が
兄を好きになり結婚した。
そして、小玉にも許嫁がいた。もうすぐ結婚という
間際になって、突然許嫁から別の女が好きになったので、
結婚できなくなったと言ってきた。
小玉は理解に苦しんだ。母と兄は村長に抗議に行った。
だが、元許嫁の嫁は資産家の娘。金に目がくらんで
乗り換えたらしい・・・・。
母たちは怒り心頭だったが、当の小玉は妙に冷めていた・・・。
その後、小玉にはありがたくない噂が飛び交い、結局
嫁のもらい手がなく、小玉は別の道を探さなければならなかった。

そうこうしている内に、若い男性たちは戦争に駆り出されることになった。
村からも何人か割り当てられており、村長は‘くじ’で決めた。
その‘くじ’に当たったのは、小玉の兄だった。
兄は新婚だし、足も悪い。しかも関家のただ一人の男手だ。
兄が抜けたら誰もが困る・・・・。
小玉は悩んだ。そんな時、近所のちょっとボケ気味の
じいちゃんにそれとなく相談してみた。
全く期待していなかったので、雑談程度に・・・。
そしたら、このじいちゃん、とんでもないことを言い出した!
女でも軍隊に入れるぞ!!!。昔そんな事があったらしいぞ・・・と。
小玉は天命を得る!!!

周りに大反対されながらも、自分が軍隊に入るという強い決心は
変らず、小玉は軍隊へ入ることになる。

関小玉は、十代で家のため自ら後のない状況に追い込み
全てを「軍」に賭けたのだ。

関小玉の物凄く素直な心と危機を察知する動物的感性が
後の伝説を作ってゆく・・・。

めちゃめちゃ良いスタートです。

『紅霞後宮物語 第零幕一』
著者:雪村花菜
出版社:KADOKAWA(富士見L文庫)
価格:¥600(税別)