潜入捜査をリアルに描く!「ACT2」

通常捜査不可能な事件の真相を暴くため、
潜入捜査専門の捜査官たちが闇に溶け込む!!

命の危険を顧みず、何者にでも成りきり、見事に演じ切る
不屈の捜査員たち。
シリーズ2作目は「ACT2 告発者 警視庁特別潜入捜査班」。
これがめちゃめちゃ面白かったです。

医薬品検査組織「日医検」の契約社員・向井は
イチマル制約のジェネリック医薬成分のデータを
入力しているときあることに気がつく。
もしや、データの改ざん・・・?
向井は契約社員である自分の立場と、薬品の危険度を
天秤にかけ、このデータ改竄の件を告発することを選ぶ。
そしてデータを盗み出し、追ってから逃げ切った!

その動きを察知した警察は、通常捜査不可能と判断し、
特別潜入捜査班(UST)を緊急招集した。

特別潜入捜査員という身分を隠し、劇団でいつも監督に
怒られる役を演じ続けている、田宮は実はUSTの名物
アクターだ。潜入捜査の時はいつも主役を張る。
どんな役にも成りきることが出来るからだ。

今回田宮は、日医検に潜入する事に。
彼が演じる役は、厚労省のお偉いさんの甥。
親や叔父のすねをかじり、遊びほうけているが
仕方なしに仕事をするはめになるという役どころだ。

招集されたメンバーはそれぞれの役になり、潜入し捜査を開始した。

正義のために告発者になった、向井の苦悩。
そんな彼を偶然にも救うはめになった、トラック野郎。
二人はどうにかして、改竄データを公表しようとするが。

向井が改竄データをネットに上げたことで裏で蠢く巨悪が
動き出す。

今回も潜入がばれたら命はない。役に成りきる捜査員の
動きが「超」スリリング!完璧な役に入り込もうとも
巨悪に封じられる!
いかにして真実を暴き出すのか!?

スリリングでスピーディーな展開、さらに後半に仕掛けられた
罠に読者もまんまとはまり、手に汗握るクライマックスを
迎えることとなる。
あまりの面白さに、途中で止めることが出来ない!
アクション警察ミステリーだ!

『ACT2 告発者 警視庁特別潜入捜査班』
著者:矢月秀作
出版社:講談社(文庫)
価格:¥660(税別)