このミス大賞!2017隠れ傑作登場「縁見屋の娘」

「京の縁結び 縁見屋の娘」三好昌子著(宝島社)は
第15回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作。

このミス大賞には、大賞のほかに隠し玉とか、この作品の
ように、大賞作品の次点で優秀賞などの賞があり、
隠れた傑作に出会うことが多い。

そしてこの作品も、その隠れた傑作だと思った。

舞台は江戸時代、天明の頃の京都。
そこに「縁見屋」という口入屋がある。
だが、縁見屋の娘は祟りつきで男児を生まず
二十六歳で死ぬという、いまわしい悪縁があった。

18歳になった縁見屋の一人娘・お輪は、母、祖母、
曾祖母がみな二十六歳で亡くなった事を知り、
自らの行く末を案じていた。
年頃のお輪にもそろそろ縁談の話もある。
東雲屋の長男・徳次とは幼馴染。徳次はお輪に
気があるようだが・・・。

そんなある日、お輪は愛宕山から来たという
修行者・帰燕と出会う。
お輪は帰燕に会った瞬間、心を奪われてしまう。

謎めいた帰燕は、お輪の悪縁を知りその呪縛を
断ち切るという。
一体どうやって・・・?

縁見屋の娘はなぜ男児に恵まれないのか?
なぜ26の歳で死んでしまうのか?
4代にわたり縁見屋を祟り続けているものは何なのか?
帰燕は一体何者なのか?
お輪と帰燕の絆はどうなるのか?
そして、お輪の悪縁は断ち切ることが出来るのか?

数々の謎が解き明かされ、全ての真実が繋がったとき、
スリリングかつファンタジックな世界へとなだれ込んで行く!

時代小説にラブストーリー、SFファンタジー、
ミステリー的要素を盛り込んだ、申し分ない面白さ!
京言葉にも注目!お輪の可愛さが際立っています!!

『京の縁結び 縁見屋の娘』
著者:三好昌子
出版社:宝島社(文庫)
価格:¥650(税別)