このミス大賞受賞、受賞作にふさわしい医療ミステリ「がん消滅の罠」

2017年このミステリーがすごい大賞の大賞受賞作。
「がん消滅の罠 完全寛解の謎」(岩木一麻著、宝島社)。
大賞受賞で非常に評判がよく、「前代未聞!史上最高の医学
トリック!」「謎の設定が素晴らしい!」「日本医学ミステリ
史上3指に入る傑作!」等々、最高の賛辞が寄せられていて、
このミス大賞受賞作で久々の大ヒットとなりました。

‘医療’ミステリなのにわかりやすく、非常に面白かった。
しかし、個人的には解明されない「謎」が残ったまま。
再読しないとわからないかも・・・・。

末期がんと診断され余命宣告を受けた患者が、リビング
ニーズ特約の保険金(生前給付金のこと)を受け取った。
だが受給後、病巣はきれいに消え去っていた。

同様の保険金支払いが立て続けに起きており4件目だという。
日本がんセンターに勤務する医師・夏目は、生命保険会社に
勤務する友人から、そんなことがあるのか?
と質問を受けた。夏目は、末期がん患者のがん病巣が
きれいに消え去るなんてことはない!と答えたが実際には起こった。

連続する奇妙ながん消失事件。
不審に思った夏目と保険会社の友人、そして研究医の友人たちと
謎の解明に乗り出す。
そんな中、患者たちのかかりつけの病院の履歴を調べているうちに、
聞きなれない病院に行きあたる。
その病院は、有名人や、政財界、官僚など、比較的お金に
余裕のある人たちが多く通う病院だった・・・。

謎が謎を呼ぶ展開に、難しい医学用語など無視して
ひたすら読みふけった。すごく面白い!!
余計な謎は出てこず、「末期がん」の病巣がなぜ消えたのか?
というその謎に焦点をあてて描いてあるので、
物語の展開は非常につかみやすかった。
ただ「がん消滅」のトリックは最後の最後までわからない。
想像もつかない・・・・。

「がん」について、さらに最新のがん診療についても
とても詳しく書いてあり、勉強にもなりました。

『がん消滅の罠 完全寛解の謎』
著者:岩木一麻
出版社:宝島社
価格:¥1,380