超!不思議なミステリー『ユリゴコロ』の面白さ!

今日のおススメの本は前回に引き続き、本屋大賞にランクインしたミステリー作品の紹介です。
本屋大賞第6位にランクインした、沼田まほかる『ユリゴコロ』(双葉社)です。
沼田さんの作品の特徴は、女性の嫌な部分をこれでもか!というくらい描いたサスペンス作品が多いです。しかし、この『ユリゴコロ』はそれらの作品とは異なり、読み終わった後ホッとし、救われたような気持ちになる、とても不思議なミステリー小説です。

幸福な時はいっきに消え去った!恋人の失踪、父親の末期がん告知、そして母親の交通事故死。呆然とする中で、僕は母の遺品を整理し始めた。
そんなある日、押入れ奥から不思議なノートが現れた。「ユリゴコロ」と題されたそのノートには、生々しい「殺人の記録」が綴られていた・・・。
これは小説なのか?実際のことなのか?読み進むうちに自分の母親の記録ではないかと疑い始める。
ずっと小さな頃、母が入れ替わったのではないかと疑ったことがあったが、それと何か関係しているのか・・・?

驚愕の幕開け、恐怖と悲しみと衝撃が、ラストには幸福に繋がる。読み終わった後のなんともいえない余韻に浸って欲しい、ミステリーの傑作です。

『ユリゴコロ』
著者: 沼田まほかる
出版社:双葉社
価格:¥1,400(税別)