大友鉄‘最後’の事件!?『闇の叫び アナザーフェイス9』

「アナザーフェイス」シリーズは、堂場先生が描く警察小説シリーズ
の中で一番好きな作品です。
先月、最新作が発売。なんと!刑事総務課の大友鉄が臨む最後の事件!
「闇の叫び アナザーフェイス9」です。

このシリーズは、大友鉄が助っ人で事件の捜査を行う
過程と彼のプライベートな物語が並行して描かれ
毎回楽しみな作品です。
大友と息子・優斗との絆、息子の成長に日々とまどう
父としての姿にいつも胸がキュンとなってしまいます。

警視庁刑事総務課に所属する大友鉄は、元捜査一課の刑事。
妻を亡くし、息子を育てることになった大友は、定時に
帰ることのできる部署へ異動することになった。
しかし、彼の優れた捜査能力を買っている上層部は、
何かあると、大友に現場(強行犯系)の応援をさせていた。

しかし、今回は大友自らが事件の端緒をつかみ捜査に参加する。

ある日、息子のかつての同級生の母親から不穏な連絡が
入った。娘が通う中学の保護者が何者かに襲われたと言うものだ。
大友は半信半疑で母親の話を聞いたが、娘の語る話には信憑性があった。

そこで事件を担当した所轄へ出向いた。
3日前に美容院を経営している男性が自宅前で襲われた
とのことだった。
大友がその事件の調査を開始した頃、別の父兄も被害に
遭ったと知らせが入った。
大友は本格的に捜査に加わることになった。
しかし、捜査の過程で容疑者は二転三転する。

大友はこの捜査を通じて、人間の深い絶望と孤独、
そしてはかり知れない心の闇と向き合うことになる。

イクメン刑事が助っ人で臨む最後の事件。
犯人の心の闇と慟哭、そしてその動機とは何か?

大友の息子・優斗の成長がまぶしいです!

『闇の叫び アナザーフェイス9』
著者:堂場瞬一
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥770(税別)