出雲神々の謎に迫る!?「古事記異聞 鬼棲む国、出雲」

高田崇史さんの新シリーズ「古事記異聞」の
第1弾「鬼棲む国、出雲」(講談社ノベルス)を
読みました。

島根県民にとっては、聞きなれた場所が
次々と出てくるので、そのシーンを
想像しながら読みました。

東出雲町の黄泉比良坂で揖夜神社の巫女さんの
変死体が発見される。島根県警捜査一課の藤平
警部とその部下が捜査を開始する・・・。

一方、東京の大学で民俗学を学ぶ、橘樹雅(たちばなみやび)
は研究テーマを「出雲」に決め、まずは出雲国四大神を
調べるために島根県に向かった。
雅が出雲の神々について調べてゆく過程で
不可思議な「謎」が次々と提示される。

私たち一般人が知っている、出雲を中心とした神社の数々。
その神社には「神様」が祀られている。
昔から知っているものもあれば、知らないこともある。
この本を読んで初めて知ったこともあり、非常に
興味深い。しかし・・・?
「出雲大社」「熊野大社」「佐太神社」「能義神社」は
その謎が明らかになるにつれ、次第に別の貌を見せ始める。

髪を切られ、左目に簪を突きたてられた巫女の殺人事件の謎と、
「神々」の謎。
巫女の死は、何かのメッセージなのか?

雅の調査で浮き彫りになる、出雲の神々たちの真の姿。
それは、わたしたちが想像した「神」とは全く違う姿だった・・・・!

葬られた「出雲王朝」の真の姿を描きだした
歴史ミステリーの傑作!

松江市・出雲市の神社巡りの過程も描かれているので、
神社巡りに興味のある人は、ガイドブック的な
役割もはたしてくれます!

『古事記異聞 鬼棲む国、出雲』
著者:高田崇史
出版社:講談社(ノベルス)
価格:¥880(税別)