心霊探偵八雲のルーツ「浮雲心霊奇譚」第2弾「妖刀の理」。

「心霊探偵八雲」のルーツを描く怪異謎解き時代劇、
「浮雲心霊奇譚」シリーズ。なぜか第2弾「妖刀の理」
から読んでしまったハマサキ!

でもすごく面白かったです。

ペリー率いる黒船が浦賀沖に到着し、江戸の民の度肝を抜いた
幕末の頃、混乱する世を背景に様々な怪事件が起こる。
そんな中、一人の「憑き物落とし」が秘密裏に闇へと葬っていた。
その「憑き物落とし」名は「浮雲」。
白い着物をさっそうと着こなし目に赤い布を巻いている。
それは「死者の魂」を見据える「赤い瞳」を隠すため。
どこへ行っても、俺流を貫く浮雲は、この世を
さまよう霊たちの声を聞く・・・。
それこそが真実!それこそが事件解決の鍵!

夜道で辻斬り事件に遭遇した武家の娘・伊織は、
異様な殺気を放つ男の幽霊を見てしまう!

祟りがあると噂の幽霊沼。ある目撃者が憑きもの落としを
依頼するが、事態は思わぬ方向へと転がる。

また、ある時、妖刀・村正による惨劇の場に
居合わせた絵師・八十八は事件の背後に、
浮雲の宿敵、呪術師・狩野遊山の影を見る! 

心霊探偵八雲のルーツとなる「浮雲」シリーズ。
第2作目から読んでしまったが、
俺様キャラだが約束はきっちり果たす
憑き物落とし・浮雲と強すぎる正義感とまじめすぎる
性格がちょっぴりやっかいの絵師・八十八の
コンビがたまらないユーモアを醸し出す。

読み始めたら癖になる!
心霊探偵八雲ファンも必読の傑作連作短編集。

『浮雲心霊奇譚 妖刀の理』
著者:神永学
出版社:集英社
価格:単行本¥1,200(税別)
   文庫¥580(税別)