心霊探偵八雲のルーツを描く、シリーズ第1弾「浮雲心霊奇譚 赤眼の理」

「浮雲心霊奇譚」シリーズ、2の「妖刀の理」から
先に読んでしまいましたが、
今回、シリーズ1の「赤眼の理」を読みました。

「心霊探偵八雲」が好きで続けて読んでいますが、
「浮雲心霊奇譚」も主人公の「浮雲」に惹かれ
次々と読みたくなってしまいます。

幕末の混沌とした江戸で怪異事件が続発する!
そんな事件は、一人の「憑き物落とし」が秘密裏に闇へと葬っていた。
その「憑き物落とし」の名は「浮雲」。
白い着物をさっそう(?)と着こなし、目に赤い布を巻いている。
おかしなかっこうだと思うが誰も突っ込まない。
実は彼は、「死者の魂」を見据える「赤い瞳」を持っていた。
赤い布を巻くのはそれを隠すためだ・・・。
そして、どこへ行っても、俺流を貫く浮雲は、
この世をさまよう霊たちの声を聞く・・・。
霊たちの声・・・この世に残った想い。
それこそが真実!それこそが事件解決の鍵!

呉服屋の息子・八十八の姉が、何者かに憑りつかれた。
姉を助けるため、八十八は、ある憑き物落としを
訪ねた。落ちぶれた神社の奥にいた男は
白い着物を着崩し、目に赤い布を巻き、
居丈高な態度で八十八の前に立った。
姉を助けてほしいと懇願すると、五十両
もの大金をふっかけられる・・・。
こいつは本当に憑き物落としなのか・・・?
それでも姉のため、八十八はあきらめなかった。

「浮雲」と八十八の出会いは最悪だが、八十八の
姉についていた霊を成仏させ、さらにそれに絡んだ
事件を解決に導いた。
おまけに、父親が八十八に秘密にしていたある事実まで
解いてみせる・・・。
八十八にとっては、衝撃的な事件だったが、
それ以来、浮雲と八十八は腐れ縁で結ばれる。

その後も武家の娘・伊織との出会い、その武家で起こった
奇怪な女の霊の事件、恐ろしい絵師との出会いなど
次々と事件が起こってゆく。

「浮雲」の霊の声を聞きながらその事件の
裏にある真実を暴くという姿勢が心に響く。

「浮雲」の超俺様キャラの裏にある優しさに
事件解決のあとホッとする・・。

ものすごく面白いので、今後もシリーズを
続けて読んでいきます!

『浮雲心霊奇譚 赤眼の理』
著者:神永学
出版社:集英社
価格:単行本¥1,200(税別)
   文庫¥560(税別)