タフでクールな女探偵登場!「探偵は女手ひとつ」

タイトルに惹かれて読みました。
深町秋生さんの「探偵は女手ひとつ」(光文社)。

山形を舞台に描かれた、探偵小説。
山形弁がすご~く効いている!!

小学生の娘と二人で暮らす、シングルマザー探偵の
椎名留美は、農家の手伝いや高齢者のおつかいなど、
最近では、ほぼ便利屋と化していた。

山形では、探偵に依頼する事件などあまりない。

ある日、元の上司である警察署長から、
さくらんぼ盗難犯を突き止めて欲しいという
依頼が入った。
久しぶりの探偵業らしい仕事の依頼に
張り切る留美だったが….。

ヤクザから依頼された人探し、イケメンに
つきまとうストーカー退治、などなど….。
地方でも起こりうる事件の闇をあぶり出し、
その事件に翻弄される人間ドラマを臨場感
たっぷりに描き出す。
リアル過ぎる設定と丹念な人物描写が魅力だ。

そして、物語をさらにリアルに感じさせてくれるのは、
ご当地言葉で交わされる会話シーン。
冷酷な事件もあまり恐ろしく感じないのは
このご当地言葉のおかげかもしれない。

過疎にあえぐ地方都市で、自分らしく生きる
クールでタフな女探偵がとてもかっこいい!

『探偵は女手ひとつ』
著者:深町秋生
出版社:光文社
価格:¥1,500(税別)