驚愕のトリックに瞠目!「扼殺のロンド」

「十三回忌」がとても面白く、探偵・海老原の
キャラに惹かれ、続いて「扼殺のロンド」を
読みました。

小島先生の作品は、非常に凝ったトリックが
随所に散りばめられているので、読み進める
のが楽しい。

倒産した自動車工場で壁に激突したと思われる
車があり、その中から男女の変死体が発見された!
女性は腹から胃腸を抜き取られ、男性は高山病で
死んでいた。
鍵のかかった工場内、車の方はぶつかった衝撃で
ドアも窓も開かない。
犯人は如何にして犯行に及んだのか?

静岡県警の小沢刑事と笠木刑事らが捜査を
進めると、死んだ二人は姉川家のいとこ同志だと判明。

そしてその後も、姉川家の親族が次々と「密室」で
不可解な死を遂げていく。

その不可解さに刑事たちはもうお手上げ状態だ。
いったいどうやって・・・・。
そんな時、海老原が笠木のもとへやってきた。
難事件が起きた時、どこからともなく現れる、
風のような探偵だ。

そして、海老原は「密室」のトリックを
暴いてゆく…。

これでもかというくらい「謎」が仕掛けられ、
さらに凝ったトリックに圧倒される。
この謎とトリックの着想は、ひときわ異彩を
放っている。
ほんとに凄いミステリー小説!

次は「武家屋敷の殺人」(講談社文庫)に挑戦!

『扼殺のロンド』
著者:小島正樹
出版社:双葉社(文庫)
価格:¥694(税別)