「検証捜査」の兄弟編!「凍結捜査」

堂場瞬一さんの「~捜査」シリーズも大好きです。
「検証捜査」はほんとに面白くて、シリーズに
なって嬉しいです。
今回の「凍結捜査」はその兄弟版。北海道が舞台です。

函館中央署の保井凛は、ある事件の再捜査で
東京に呼ばれたときに知り合った、警視庁の
神谷とともに北海道で休暇を過ごしていた。

そこへ射殺体発見の連絡が入った。
休暇を中断し、現場へ向かった凛は驚く。
雪の中に横たわっている射殺体は、婦女暴行
の容疑がかかり、被害届がでていた
平田という男だった。

被害届を出したのは、水野珠希という女性だった。
凛は早速、珠希を訪ねた。しかし珠希は突然
姿を消したと言う。
一体どういうことなのか?

凛は捜査を続けるが、手掛かりはない。
また、珠希の行方も杳として知れない。

半年が過ぎた頃、東京のホテルで女性の
射殺体が発見された。警視庁の神谷が捜査を
担当すると、女性の身元が判明。
なんとその射殺体は、行方が知れなかった
水野珠希だった。

連続殺人事件なのか?凛も東京で神谷と
ともに捜査をすすめてゆく。

一向に見えてこない事件の真相。
読んでる方ももどかしい。
事件の筋がみえたのか?と思うとまた後退する。
この捜査の過程が非常にリアルに描かれている。

さらに、事件を通して凛の心に広がる未来への
不安や、凛を思う神谷の優しさも描かれる。

そんな思いを乗り越えつつ、巧妙に仕組まれた
重大犯罪に、熱き刑事魂を抱えたものたちが挑む。

読み応えのある、本格的警察小説!

『凍結捜査』
著者:堂場瞬一
出版社:集英社(文庫)
価格:¥880(税別)