怒涛の誘拐スリラー小説「ザ・チェーン 連鎖誘拐」

英米で大ヒットを飛ばした、今までにない
「誘拐」をテーマにしたサスペンススリラー
「ザ・チェーン 連鎖誘拐」を読みました。

乳ガン再発を恐れながら、ティーンエイジャーの
一人娘を育てる、シングルマザーのレイチェル。

その日も半年ごとの定期検診だった。

不安を抱えつつ病院へと向かうレイチェルの
もとへ何者かから電話がかかってきた。
娘を誘拐した。返して欲しければ身代金を
ビットコインで送金し、他人のこどもを誘拐
しろと指示された。

いたずらに違いないと思ったが、謎の声はさらに続ける。

レイチェルが誘拐した子供の家族が同じように
身代金を払い、その家族がさらに別の子供を誘拐すれば、
娘は生きて解放される。
失敗すれば殺されてしまうというのだ。
そして、この誘拐の連鎖から決して逃れることはできないと…。

警察へは絶対に連絡できない、したら娘の命はない。
恐ろしいほどに頭の切れる犯人が仕組んだ、
誘拐システム。この連鎖誘拐のシステムに組み込まれて
しまったレイチェルは、まったく無関係の子ども
の誘拐計画を練ることに….。

被害者の悲劇と加害者の苦悩、それでも娘の命には
変えられない。
加害者にならざるを得ない、レイチェルの苦渋の決断!
その緊迫感はいやがおうにも増してゆく!

著者は、「刑事ジョン・ダフィ」シリーズの
エイドリアン・マッキンティ。エドガー賞など
ミステリー界では権威ある賞を受賞した実力派。
ドン・ウインズロウも絶賛の傑作。

連鎖誘拐という過去に前例を見ない恐ろしい
けれど斬新な設定にまず驚愕。
いったいどんなことになるのか?レイチェルは
加害者になってしまうのか?その怒涛の展開に
魅了され、先へ先へと促されるように読み進めた。

翻訳もの、さらに上下巻という長さ。
しかし、それを感じさせないストーリー展開の
面白さに絶句する!

前代未聞のサスペンススリラー!!!

『ザ・チェーン 連鎖誘拐 上下』
著者:エイドリアン・マッキンティ著/鈴木恵 訳
出版社:早川書房(文庫)
価格:上下各¥780(税別)