幽霊屋敷の怪?砂の恐怖!!!『ししりばの家』

映画化された「ぼぎわんが、来る」ほか「ずうのめ人形」
「などらきの首」など、今一番面白恐いホラー作品
を生み出す、澤村伊智さんの最新文庫作品
「ししりばの家」(角川ホラー文庫)を読みました。

読み始めたら、澤村ホラーの世界へどっぷりと
はまってしまい、そこから抜け出せなくなりました。

夫・勇大の転勤で関西から東京に越してきた、果歩。
しかし、東京生活に馴染めず、多忙な夫ともすれ違い、
心は次第にすさんでいった。

そんなある日、果歩は幼なじみの平岩と再会する。
関西弁トークに久しぶりに心がはずんだ。
日曜日に平岩邸に招かれた果歩は、彼の妻や
祖母と交流し心も体も癒された気持ちになった。

だが、平岩邸は何か変だった。あまりにも
心がすさんでいたので果歩は自分がおかしいのか….?
と思ったのだが。
その家は「さあああ~」という奇妙な音がする、
さらに部屋中に砂が散っていた….。

一方、平岩邸を監視する一人の男がいた。
彼は子供のころ、この家に関わったせいで
脳を砂が侵食する感覚に悩まされ、仕事もできず、
家に引きこもっていた。

悶々と日々を送る中、比嘉琴子という女性が
彼の元へ現れる…。

二つの視点から現在と過去の「砂」と「家」の
恐怖が描かれる。
そして、「家」にまつわる不可解な現象を
調べるうちに、恐ろしい事実が判明する!!
この家にはいったい何がいるのか?

また、霊媒師・比嘉琴子が真に己の能力に目覚めた
ストーリーでもある。

恐いけど、もの凄く面白い!

『ししりばの家』
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA(ホラー文庫)
価格:¥680(税別)