「ジェリーフィッシュは凍らない」のマリア&漣シリーズ第2弾「ブルーローズは眠らない」

鮎川哲也賞受賞作「ジェリーフィッシュは凍らない」が
あまりにも面白かったので、第2弾の
「ブルーローズは眠らない」も読みました。

「ジェリーフィッシュ~」に登場した、
刑事コンビ、マリア&漣。型破りな女性刑事
マリアとスマートな日系の漣。
王道のミステリー展開に、二人の魅力がプラス
して面白いことこの上ない!

ジェリーフィッシュ事件のあと、閑職に
回されたフラッグスタッフ署の刑事・
マリアと漣のもとへ、フェニックス署の
バロウズ刑事から、不可能とされた
青いバラを同時期に作出した、テニエル博士と
クリーヴランド牧師の捜査を依頼される。

ところが、二人の面談を終えたのち、
バラの蔓が外壁中にからまった
温室の中で切断された首が見つかった!
ドアは頑丈に施錠され、窓も蔓だらけ。
いわゆる密室状態だった。

この事件から遡ること、1年前に
フェニックス署管内で火災事件が発生し、
その現場からある日記が発見された。
そこには青いバラに関する記述があった。

両親の虐待に耐えかね逃亡した少年は
遺伝子研究を行うテニエル博士に保護された。
少年は博士の助手となり暮らし始めるが、
屋敷内に潜む不気味な「実験体七十二号」
の影におびえるのだった・・・。

不可能とされた青いバラの同時期の作出、
密室殺人、
青いバラ作出にまつわる1年前の手記。

これらを繋ぐ鍵とは一体何なのか?
マリアと漣は推理を重ね、ある仮説にたどり着く!!

この作品も「ジェリーフィッシュは凍らない」に
負けず劣らず、緻密な設定にうなる。
ホラーテイストも加味され、謎は深まるばかりだ。

計算しつくされた、神業的なミスリード技術は
驚嘆に値する!
見事なまでに騙される!

本格ミステリを存分に堪能できる1冊。

『ブルーローズは眠らない』
著者:市川憂人
出版社:東京創元社
価格:¥780(税別)