誘拐事件に巻き込まれた被害者家族を支援!「警視庁犯罪被害者支援課7 空白の家族」

堂場瞬一さんの警察小説シリーズの
中で特に好きなシリーズ。
7作目に突入しました。

今回は、人気子役が誘拐されたことで、
壊れた家族の苦悩が浮き彫りになる。

人気子役の少女が誘拐された。
しかし、少女の父親は10年前に起こった
大規模な未公開株詐欺事件で有罪と
なった男だった。
村野は支援課に配属になる前に
その男と対峙したことがある。
自分が助かりたいために仲間を
全部警察に売った男。
村野は男に嫌悪の感情しか抱けなかった。

男は詐欺事件を起こしたことで、妻とは離婚。
妻と娘は、妻の父親の家で暮らしていた。

男は娘が誘拐されたことを知り、
娘の家までやってきていた。
村野は男に帰るように説得するが・・・。

村野は、その経緯を知っている、上司・
芦田に誘拐事件の支援から外される。

杉並中央署管内で火災が発生し、
一人暮らしの女性が亡くなった。
村野は杉並中央署の依頼で、被害者
家族の支援に入った。
夫に連絡したが、妻とは関係ないと
言い張っているらしい。
息子に間に入ってもらい、父親の説得を試みた。
女性は、息子が自殺したあとから
新興宗教にのめり込み、夫と別居することに。
頑なに妻を拒む男。

村野は、バラバラにになってしまった
家族に接し、果たして支援と言えるだ
ろうかと思い悩む・・・・。

一方、誘拐の方は犯人からの連絡が
途絶え、家族はもとより警察も
焦りが募っていった。

シリーズを重ねるごとに犯罪被害者支援課
メンバーの苦悩は増してゆくようだ。
様々な理由で壊れてしまった家族の姿が
描かれ、胸に迫る。

そして、誘拐事件の捜査の末にたどり着いた、
あまりにも哀しい真実・・・・。
読んでいて辛くなった。

この回で心が癒されたのは、
「アナザーフェイス」シリーズの
大友刑事が村野を励ますシーン。

犯罪被害者家族に寄り添う、支援課の
面々の活躍が今後も気になる!

『警視庁犯罪被害者支援課7 空白の家族』
著者:堂場瞬一
出版社:講談社(文庫)
価格:¥840(税別)