第30回鮎川哲也賞受賞作!『五色の殺人者』

第30回鮎川哲也賞受賞作、千田理緒さんの
「五色の殺人者」を読みました。
選考委員満場一致の本作。
謎てんこ盛りで、読んでいるとき
とても楽しかった!!!!

高齢者介護施設「あずき荘」で、
男性の撲殺死体が発見された!

事件が起こった時、逃走する犯人の
姿が利用者によって目撃されていた!

新米介護士のメイ(明治瑞希)は、
同僚のハルとともに当日の
利用者や職員の目撃情報を探る。

ところが、目撃証言は、とんでもなく
食い違った。
事件当日、犯人が着ていた服の色が
「赤」「緑」「白」「黒」「青」
とバラバラだったのだ。

聴取した警察官は、多少認知症の
症状がある老人たちの証言とあって、
あまり参考にしていないようだった。

ありえない証言に加え、凶器も
見つからない。謎は深まるばかりで
捜査は難航。

そんな中、ハルが片想いをしている
青年が容疑者として急浮上する。

メイはハルに頼まれ、その青年の
無実を証明しようとする。

しかし、素人探偵二人の動きが
さらなる事件を引き寄せてしまう・・・・。

素人探偵が謎を解いてゆくパターン。
読んでいると一緒になって
謎に挑んでいる感じ。
食い違う目撃者の証言。なんで
五通りの色?この謎は難解だ!!!

この謎の解明の過程だけでも読んで
いて面白いが、ここでさらなる
トリックが!
これには面喰った!
そうか~そういうことか~。
見事に引っ掛かりました。

高齢者介護施設が舞台だが暗いイメージは
なく、軽快でちょぴりユーモラスな
展開がとても良かった。

『五色の殺人者』
著者:千田理緒
出版社:東京創元社
価格:¥1,600(税別)