太田忠司さんの「麻倉玲一は信頼できない語り手」
を読みました。
斬新なシチュエーション、独特の世界観に
引き込まれ、イッキに読んでしまいました。
死刑制度が廃止されてから28年後の日本。
しかし、一人だけ死刑を宣告されたにも
関わらず、死刑制度廃止の法が制定され、
最後の死刑囚となった、麻倉玲一。
彼は無人島だった離島に設けられた
民間経営の刑務所で、刑を執行される
ことなく日々を過ごしていた。
フリーライターの熊沢は、このころ
あまり仕事がなく、焦りを感じていた。
そんな時、麻倉は自身の本の執筆に
熊沢を指名した。
そして、熊沢は麻倉が収容されている
この離島へやってきた。
熊沢は麻倉にインタビューする。
麻倉は、自身が犯した殺人事件の過程を
反省も後悔の念も抱かず語り続けた。
そして、「彼らには死すべき理由があった。
僕は審判なんだよ。人の命をジャッジする」
とうそぶく。その姿に熊沢は激しい嫌悪感を抱いた。
さらに驚いたことには、離島には麻倉に殺害された
被害者の関係者が存在していた。
そしてついに恐ろしい事件が起きる……。
孤島に軟禁というおなじみの
クローズドサークルに、訳ありの登場人物たち、
さらに「最後の死刑囚」と言う強烈な
キャラクターを配し、謎が謎を呼ぶ
展開にイッキ読み!
そして、「こんなどんでん返しありか!?」
と叫びたくなるほどの驚きが!
まさかこの手でくるなんて・・・!!!
引き込まれました。
太田さんの他の作品も読んでみたく
なりました。
『麻倉玲一は信頼できない語り手』
著者:太田忠司
出版社:徳間書店(文庫)
価格:¥792(本体¥720+税)