正義の心が熱い!「女副署長 緊急配備」

松嶋智左さんの「女副署長」に続くシリーズ
第2弾「女副署長緊急配備」を読みました。

警察官としての矜持がどんな些細な罪も
見逃がさない。

県警初の女性副署長として、日見坂署に
赴任した田添杏美。
台風襲来の日、県警を揺るがす大事件が
勃発!杏美の機転で事件は解決。しかし、
不祥事の責任を問われ、日見坂署よりも
さらに規模の小さな、県郊外の佐紋署に
左遷された。

ところが、杏美の赴任直前、署長が
急病で緊急入院。署長代理も任されて
しまう。
そこは、ほとんど重大事件の起きない
のんびりした田舎の署だが、その分
地元の有力者たちとの距離が近く、
杏美は赴任早々憂鬱な気分になる。

しかし、それどころではない事件
が次々と起こる。
バイクによるひったくり事件が発生し、
緊急配備が発せられた。
そんな折、なんと18年ぶりに管内で
殺人事件が発生する。
さらに、ほぼ同時刻、海岸で警備課所属の
若手巡査が意識不明の重体で発見された。

いくつもの事件が同時並行で起き、
殺人事件は県警捜査一課が出張って
くる。杏美のライバルである、花野警部
の登場に心がざわつく杏美。

また、杏美と三十年来の因縁がある
巡査部長の動きも不穏な空気を醸し出す。

杏美の温かな声掛けで、シングルマザーの
女性巡査や、父親の介護に悩む総務課
巡査が、地道に捜査を続け、それぞれの
事件はやがて一つに繋がってゆく。

今まで表立って捜査をすることがなかった
若手警官や、女性警官が杏美の下で
自らの職務に目覚め、新たな目標に
進もうとする姿に胸が熱くなった。

女副署長・田添杏美の活躍に益々期待大!

『女副署長 緊急配備』
著者:松嶋智左
出版社:新潮社(文庫)
価格:¥737(¥670+税)