秘密に満ちた、「ホテル・ピーベリー」

最近、ツイッターのTLでよくつぶやかれている、
近藤史恵さんの「ホテル・ピーベリー」を
読みました。
近藤史恵さんと言えば、ビストロ・パ・マルの
探偵シェフシリーズがとても面白くて、気になって
いました。

今作は、ハワイ島にある「ホテル・ピーベリー」が舞台。

ある事件がきっかけで、仕事を辞めた木崎は、
傷心の心を持て余していた。
そんな彼を友人は心配し、長期の旅行を勧めた。

友人のお勧めは、ハワイ島で日本人が経営するホテル。
長期滞在は可能だが、リピーターを受け入れないのが
最大の特徴だった。

木崎は、ホテル・ピーベリーで、休暇を満喫
することにした。
ハワイの飛行場で出会った女性もピーベリーに
滞在。彼らのほかに、先客がいた。

木崎は次第に滞在中の客と打ち解けてゆく。
さらに夫がいることを知りつつも、オーナーの
女性に惹かれていった。

ホテル暮らしに慣れたころ、先客の一人が
プールで溺死する事件が起こる。
さらにその直後にはバイク事故でもう一人が・・・。

木崎を含め、宿泊客はみな秘密を抱え、嘘を
ついている。
何のためなのか・・・・?

二つの事件から、平和だったホテルの日常が
崩れてゆく・・・。
そして、今まで隠されていた嘘のかけらが
徐々に明かされ、小さな違和感は肥大し、
危険度を増してゆく・・・。

「このホテルには何かある・・・!?」
最後の最後で明かされる真相に絶句する。
不穏な空気が漂う、傑作ミステリー。

『ホテル・ピーベリー』
著者:近藤史恵
出版社:双葉社
価格:726円 (本体660円+税)