イケメン高校生探偵の推理が冴える!「学園の魔王様と村人Aの事件簿」

織守きょうやさんの「学園の魔王様と村人Aの事件簿」
(KADOKAWA)を読了しました。
二人の男子高校生の友情と、彼らの周囲で起こる事件。
二人が協力して事件解決に導くところがとても面白かった。

孤高のクラスメート・御崎は、様々な噂が
飛び交い、とても近寄りがたい存在だった。
しかし、山岸は御崎の存在がとても気になっていた。
ある雨の日、御崎が子猫を助けるところを目撃。
思わず声をかけてしまった。
そこから少しずつ山岸と御崎は距離が縮まってゆく。
御崎が山岸の家に行ったとき、山岸の母親が
会社で妙なことが起きて困っていることを告白。
御崎のアドバイスで事件が発覚し、解決に至る!
(村人A、魔王様と出会う。)

半グレ集団の詐欺事件に巻き込まれてしまった山岸。
学校の前で女子学生の写真を見て目撃者を探す
危ない奴ら。
山岸はある人物と間違えられ、あわや拉致されそうに
なったところを御崎に助けられる。
事件解決の糸口は、山岸のある趣味についての
講釈だった。御崎に感謝され、嬉しい山岸。
(村人A、魔王様の助手になる)

学園の寮で暮らしていた先輩が、アルコールを
飲んで飛び降りた。
ルームメイトから遺品を預かった御崎は、遺族から
調査を依頼される。
先輩の人間関係、そして物的証拠から御崎が
導き出した真相は、とんでもなく切ない、
そして悲しいものだった。
御崎のすごい推理力に舌を巻く!
この物語は悲しいけれどとてもピュアな感情が
表現された素敵すぎるストーリー。
とても好きな章。
(村人A、魔王様と友情を確かめる)

半グレグループの幹部の一人が遺体で
見つかる。その彼女らしき女性が登場。
半グレに近い人間の情報から次第に詳細が
判明する。ところが、山岸が半グレ集団に
拉致される。誰かと間違えられて連れ去られた
可能性が大きい。
それを目撃した御崎は、真犯人を見つけ出すため
一人対決に向かう。
(村人A、魔王様との友情を深める)

とにかく、イケメンの御崎がかっこいい!
物腰は柔らかく、冷静沈着でとてもやさしい。
山岸の言葉にちょっと赤くなったりするところは
めちゃめちゃ可愛い。

日常の些細な違和感を見逃さず、事件の本質に
迫る御崎。その洞察力には目を見張る!
推理小説としても読み応え十分だ。

イケメンの高校生名探偵と彼の友人になりたい男の子。
不器用な二人が周囲で起こる事件を解決してゆく。
その過程で二人の友情がどんどん深まってゆく。
日本の高校生版ホームズ&ワトソンのようで、
読んでいて楽しかった。
また男同志二人の絆が徐々に深まる過程は、
なんだか胸がキュンとなった。

面白いです!

『学園の魔王様と村人Aの事件簿』
著者:織守きょうや
出版社:KADOKAWA
価格:1,815円 (本体1,650円+税)