交換殺人の行方は・・・?「拝啓 交換殺人の候」

「希望の死んだ夜に」の仲田&真壁シリーズ
「境内ではお静かに」シリーズの著者・天祢涼さんの
新刊のテーマはミステリーの定番である、
「交換殺人」。ワクワクな展開が待っている!

会社でパワハラにあい、悔しい思いを胸に
退職した秀文。
社会復帰を目指すが、パワハラで傷ついた
心は早々に癒えず、そのことで絶望した。

そして、「もうだめだ」と悟り、神社の
境内で首を吊ることを決心する。
秀文は神社の桜の木に登った。すると大きな
洞の中に白い封筒があるのを見つける。
それは、なんと交換殺人の依頼状だった。

〈どうせ死ぬなら殺してみませんか〉
と書かれた依頼状。交換殺人がバレないように
詳細なルールが決められている。
・やりとりは基本手紙
・手紙はパソコンで書く
・返事はこの洞に入れる
・お互いの事情は詮索しない

予期せぬ誘いだったが、秀文は自分にパワハラ
をして絶望の淵に追いやった男を殺して欲しいと
思った。
しかし、殺してくれたら、今度は自分が誰かを
殺さなくてはならない。それが出来るのか?
迷いに迷った秀文は、手紙を置いた人物が再び
現れるのを見張ることにした。
そして、そこに現れたのは、セーラー服の
女子高性だった・・・!

秀文は、手紙に自分の思いをつづり、再び洞に
向かい、返事を置いた。
しばらくすると、女子高生から返事が届く。

いよいよ本格的に交換殺人の計画が動き出すのか?
と思いきやそれは、奇妙な往復書簡と化してしまう。
二人が計画した「交換殺人」の結末は!?

あまりにもあまりにも予想外の展開!
こんな「交換殺人計画」があってもいいのか!?
いったい読者をどこへ誘うと言うのか?
ツッコミまくりのトンでも展開、
ワンアンドオンリーな物語と衝撃的面白さで
ラストまでイッキ読み。

見事な天祢マジックにしてやられる!

『拝啓交換殺人の候』
著者:天祢涼
出版社:実業之日本社
価格:¥1,650(¥1,500+税)