ハリーポッターの次はリアル社会を描く!『カジュアル・ベイカンシー』

ハリー・ポッターシリーズで、世界中の読者を魔法の世界へ導いてくれた、J・K・ローリングが12月に新作を発表しました。
タイトルは『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席 Ⅰ・Ⅱ』(講談社)です。
ローリングが初めて描いた、大人向けの小説です。
イギリスの小さな田舎町で起こる事件をちょっとミステリーチックに描いていたりします。
イギリスの小さな街・パグフォード。その地方自治組織議会・パリッシュカウンシルの議員だった、バリー・フェアブラザーが急死した。
その死をきっかけに立て続けに事件が起こる。
Ⅰでは、パグフォードの住人達の人間模様と人間関係が詳しく描かれています。
上流階級を自負するモリソン一家、モリソン家と対立するジャワンダ医師。
バリーの親友だった、中学校の副校長コリン・ウオール。その息子のスチュアートと、プライス家の息子アンドルーとの関係、同級生の女子など様々な人々が登場します。
彼らの心の闇、本音と建前の微妙な心の機微。
人間のエゴむき出しな部分までこれでもかと描かれ、ハリーポッターの著者とは思えないほど。
リアルな現実社会を非常に冷徹な目線で描いています。
Ⅱでは、バリーの死で空席となった、議席を巡って大人たちが対立。
その対立はティーンエイジの子どもたちに暗い影を落とし、ないがしろにされた子供たちは、小さな復讐を大人たちに行います。
子どもたちの復讐でさらに対立が悪化する大人たち。
このエゴにまみれた大人たちに救いはあるのか・・・・!?
そして犠牲になるのはいつも子どもたち。
ラストに用意された結末に涙が止まらない・・・。
ラストの怒涛の展開は、さすが世界のストーリーテラーです。
読んでいくうちにページをめくる手が止まりません!!

登場人物が多いので、今井オリジナルの登場人物相関図を作成致しました。
店頭でパネルになっていたり、チラシとして配ったりしています。ぜひご利用ください。

『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席 Ⅰ Ⅱ』
著者:J・Kローリング
出版社:講談社
価格:各¥1,500(税別)