今野敏さんおススメの「監察医」シリーズ第2弾!

上野正彦先生監修の「監察医」シリーズ第2弾『刃の献身』(柚原瑠璃子・ポプラ文庫)です。
思うのですが、このシリーズタイトルのつけかたがとても良いんです。
読んでいくとなぜこのタイトルがついたのかわかります。切ないです。
そして、この作品の帯は今野敏先生のコメント付です。
「ディティールと情念。この小説には二つの武器がある。」う~ん!今野先生らしいおススメ文です。

夫からDVを受けていた女性が、夫を刺殺した容疑で逮捕された。
殺された夫の遺体はすぐに司法解剖に。今回も執刀するのは、若き女性監察医・如月果林。
担当刑事は、如月の苦手な上杉刑事だ。上杉刑事に「かりんとう先生」とからかわれつつ、如月は遺体と向き合う。そして、あることに気が付く。
殺害された夫は、心臓に達した刺し傷が直接の死因だが、解剖したときの内臓から、毒物を呑んだ可能性も出てきた。
なぜ、毒物を呑ませたのに、刺殺する必要があったのか・・・?
捜査は初動の段階で、つまずいてしまった。
上杉刑事の事件に対する本能とも言うべき、勘がうまく働かないのだ・・・。
迷走する捜査。そんなとき新宿で別の刺殺体が発見される・・・。

監察医・如月と上杉刑事のかけあいもだんだんと名コンビのような形になってきて読んでいて楽しい。そしてこの二人が協力して遺体からの声を聞いて真相に近づいていく・・・。というストーリーの流れも非常にリアル!
今回も事件の背景が切なく哀しい・・・。
でも面白いです。お薦めのシリーズです。

『上野正彦監修原案 監察医シリーズ2 刃の献身』
著者: 柚原瑠璃子
出版社:ポプラ社
価格:¥680(税別)