海外ミステリーの面白さが詰まっている!「ストーンサークルの殺人」

最近話題になっている、M・W・クレイヴン
「ストーンサークルの殺人」
(ハヤカワ文庫)読了。

500ページ超の大作なのに、長さを全く
感じさせないテンポで読めた。
翻訳がとにかく読みやすい。
英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞作。
それも納得の面白さだった。

国家犯罪対策庁(NCA)の重大犯罪分析課に
所属するワシントン・ポーは、大失態を犯し、
現在停職中だ。

一方、カンブリア州内のストーンサークルで
年配の男性が焼き殺されるという残虐な
連続殺人事件が発生していた。

猟奇的なな犯行を繰り返す犯人を、マスコミは
「イモレーション・マン」と名付け連日報道していた。
犯人は大胆な手口で犯行を重ねながらも、用意周到で
捜査は難航。
カンブリア警察署は、重大犯罪分析課に協力を仰いだ。
そして三人目の被害者の胸にポーのフルネームと
数字の5が刻み込まれているのが判明!

ポーの部下だった、ステファニー・フリンが
事件の詳細と彼の停職処分が解けたのを伝えに
やって来たのだ。

ポーは自分がなぜ狙われるのかわからないまま
捜査を開始するが・・・。

犯人はなぜ年配の男性のみを狙うのか?
ストーンサークル にはどんな秘密があるのか?
残虐な殺害方法は怨恨なのか?
ポーは本当に5人目のターゲットなのか?

無差別と思われていた事件だったが、捜査が進むにつれ
殺された男たちはみな名士とされる者たちだと判明する。

この作品、ワシントン・ポーの他に魅力的な人物が登場する。
分析官のティリー・ブラッドショー。
ちょっと浮世離れしているが、頭の良さはハイレベル。
データマイニングで高い能力を発揮し、分析課の
中で徐々に頭角を現す。ポーもティリーも
不器用で人付き合いは苦手。
そんな二人のコンビネーションが事件解決に一役買う。
この二人が徐々に信頼し合っていく関係性が読んでいて
ホッとする。

ワシントン・ポーシリーズ第1弾。
海外ミステリーの面白さ、醍醐味がたくさん
詰まっている。
「ブラックサマーの殺人」「キュレーターの殺人」
と続く。

『ストーンサークルの殺人』
著者:M・W・クレイヴン/東野さやか訳
出版社:早川書房
価格:¥1,298(本体¥1,180+税)