大人気シリーズ「東京湾臨海署安積班」最新作「秋麗」。

今野敏先生の人気警察小説シリーズ
「東京湾臨海署安積班」の新作長編
「秋麗」を読了。

安積班の紅一点・水野が新聞記者の
山口からセクハラの相談を受けている
と安積に報告してきたあと、海に遺体
らしきものが浮いていると無線が流れた。

安積班は現場に臨場。唯一臨海署に設置
されている船艇「しおかぜ」で海に
浮いている遺体の回収と鑑識作業を行った。

遺体はどこから流れ着いたのか?

遺体の身元を特定できるものがいっさいなく、
SSBCの顔認証システムを頼ることに。
するとしばらくして遺体の身元が割れた。

74歳の男性で、警視庁に記録が残っていた。
この男は特殊詐欺に関わっていたことが判明する。

安積は、その特殊詐欺事件を担当した、葛飾署の
広田係長に問い合わせる。
警察は、終わってしまった過去の事件について
調べることにいい顔はしない。
だが、広田はその男のことを覚えており、
初犯でしかも非常に反省していて、検事が起訴猶予
にしていた。広田は常習犯だと疑っていたのだ。
広田は安積の話を聞くと捜査に協力したいと言ってきた。
口調はのんびりしているが、優秀な刑事だと感じた。

さらに、須田がSNSなどを調べる過程で、男の
遺体が見つかる前日に釣り仲間二人と一緒に
いたことが判明。
早速、該当の仲間の聴取を行った。
二人とも何かに怯えているような様子だった。

そして、安積たちが再度彼らに会いに行くと、
誰もおらず彼らもまた消息が途絶えてしまう。

まじめだった年配者をも犯罪者に仕立てる
特殊詐欺事件の深い闇。
その犠牲になってしまった年配男性の
最後のあがき・・・。

葛飾署・広田、交機隊・速水も協力して
特殊詐欺事件の真相を追う安積たち。

本当の悪人は誰なのか!?

現在起きているリアルな事件を彷彿と
させる展開にも驚愕!

ラストに描かれる安積と速水の会話が印象深い。

『東京湾臨海署安積班 秋麗』
著者:今野敏
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,980(本体¥1,800+税)