ドラマ化好評!「合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明」

柚月裕子さんの『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』
(講談社)読了。
主役の二人をテレビでは天海祐希さんと松下洸平さんが
演じていて、あまりにもはまっているので、
読んでいると二人のイメージが頭に浮かんできて
楽しい読書だった。

不祥事で弁護士資格をはく奪された、
上水流涼子は、「上水流エージェンシー」
を立ち上げた。

請け負う仕事は、ちょっとヤバそうな仕事。
ただ、傷害と殺人だけは絶対に受けない。
それがルールだ。

相棒は、頭脳明晰でモデル並みの容姿を持つ貴山。
人間嫌いだが、動物には愛情を注ぐ。

第一弾では、詐欺師、資産家、ヤクザ、賭博に
からんだ事件を解決。

第二弾は、中編3作品を収録。

謎の積み荷を乗せた車を捜索して欲しいとの依頼。
積み荷は何か尋ねるが、とにかく捜索の一点張り。
高額な報酬に、涼子は依頼を引き受けるが、
貴山は、渋い顔をしている。しかし引き受けた
からには動くしかない・・・調べてみると
とんでもない積み荷だと言うことがわかり・・・。
「物理的にあり得ない」

母親から、息子の親権を取り戻して欲しいとの
依頼が入る。成功報酬は500万円。
しばらく依頼がなかったために、涼子は
飛びつくが、貴山はまたしても渋い顔。
旦那と離婚して6年も経過してから依頼する
とは何か理由があるのでは・・・?
二人が母親の周辺を調べると、案の定
母親の浮気性が原因で旦那から三行半をつきつけられ
離婚に至っていた。
そんな母親は、ある計画を練っていた・・・。
「倫理的にあり得ない」

腐れ縁の丹波刑事から珍しく依頼された。
上司の娘が精神を病んで入院している。
彼女を立ち直らせて欲しいとのことだ。
涼子は精神科医ではない。
そんなことは医者の仕事だと突っぱねたが
丹波は引かない。
メリットもあると言われた涼子は渋々
依頼を受ける。
病院で出会った少女は、生きる気力を無くしていた。
一体、何が原因なのか?
涼子たちが調べると、彼女の病の影には
悲劇が隠されていた。
「立場的にあり得ない」

今回も、悪い奴らにはそれ相当のに罰を与える
涼子たち。
欲に目がくらんだ者たちへの制裁は厳しい。
逆に、心を病んだ少女への想いは温かく
誰にも救えなかった少女を救うのだ。

読後の爽快感は、今作も半端ない。
上水流涼子と貴山コンビ。
ドラマ化されて、天海祐希さんと
松下洸平さんの息もピッタリで、
面白さも倍増!

絶対に読んで欲しい一冊。

『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』
著者:柚月裕子
出版社:講談社
価格:¥1,760(本体¥1,600+税)