直木賞作家・小池真理子氏が描くサイコサスペンスの世界

直木賞作家・小池真理子さんの傑作ばかりを集めた、サイコサスペンス短編集。
1990年代に発表された作品ですが、今読んでも面白い。
近年人気を集めている恐い女性、女性のサイコサスペンス系の原点のようなものが詰まっている感じです。

表題作の『会いたかった人』は、花形心理学者でテレビにも出演する諸井小夜子が、中学時代無二の親友だった結城良美と25年ぶりに再会したことから始まる。
あまりにも変わりすぎた親友の登場に異常な違和感を覚える小夜子。良美の行動は次第にエスカレートしてくる。親友の不気味さがじわじわと迫ってきます・・・。

そのほか、『結婚式の客』は、プレイボーイでさんざん女性と遊びつくした男が、やっと理想の女性と巡りあい結婚することに。しかしその結婚式で男は前につきあっていて自殺した女性の母親らしき女がいることに恐怖を覚える・・・・。

などなど、読んでいてじわりじわりと恐さが増していくような作品ばかり。とても面白い。さらに人間って恐い~と思ってしまう。

明野照葉、今邑彩、沼田まほかる、真梨幸子系が好きな読者にはおススメの1点です。

『会いたかった人』
著者: 小池真理子
出版社:祥伝社
価格:¥514(税別)