面白すぎてまたまたはまった!至近未来警察小説『機龍警察』

こんなのありか!?掟破りの警察小説です!!
至近未来という設定なので、当然こんなのもありかと納得!!まずオープニングから凄い描写!
‘キモノ’と呼ばれる二足歩行型軍用有人兵器『機甲兵装』が、警察に追われ、市民をなぎ倒しながら逃走するシーンから始まる。
なんなんだ~この始まりは~とワクワク感が高まりますよ。
‘キモノ’と警察官との闘いに加え、さらに進化した『機甲兵装』が登場。
これは警視庁特捜部のトップシークレット、対テロリスト用に装備された武器だ。
操るのは、元傭兵・・・!?全てが全てが・・・・今までにない警察小説だ!
しかも今までの警察小説にはない圧倒的な臨場感と、スリル感がたまらない!

近接戦闘兵器体系・機甲兵装『龍機兵』(ドラグーン)と呼ばれる新型機を導入した、警視庁特捜部は、その搭乗要員として、元傭兵の姿俊之、ロシア警察のユーリ・オズノフ、元IRFのテロリスト、ライザ・ラードナーと契約した。
閉鎖的な警察組織内に大きな軋轢をもたらした彼らは、密造機甲兵装による立てこもり事件の現場でSATとい激しく対立。
だが事件の背後には巨大な闇が広がっていた。

とにかく、特捜部の姿、ユーリ、ライザが着装する、機甲兵装がかっこいい!もうアニメみたい!
そして特捜部のメンバーのクールさが際立っている!
傭兵の3人。特に姿俊之は、伝説の傭兵という設定だからキャラが立っている。
特捜部長の沖津旬一郎もすごくかっこいいです。この上司なら命を預けても良いと思えるくらい。

これだけでも面白いのに、さらに警察内部の軋轢もきちんと描かれているので、突飛な感じは全くなく作品にリアル感が出ています。
警視庁捜査一課の刑事が、特捜部に異動になった元同僚に「裏切り者」と言い放つシーンは本当に強烈!
今、二足歩行ロボットの開発が進んでいますが、本当に近い将来、こんな警察装備が出来るかもしれないと思わせる、警察小説です。

『機龍警察』
著者: 月村了衛
出版社:早川書房(ハヤカワ文庫)
価格:¥720(税別)