「半沢直樹」その後が気になる!『ロスジェネの逆襲』

ドラマ「半沢直樹」の最終回のラストの続きが気になって仕方なく、
「ロスジェネの逆襲」を読みました。
東京中央銀行の子会社である、東京セントラル証券の企画部長として
出向させられた半沢。出向先の証券会社の成績は芳しくない・・・。
就職氷河期に何とか東京セントラル証券に滑り込んだ、
部下の森山たちの愚痴を聞き流す毎日だ。
そんなある日、IT企業の雄・電脳雑技集団の社長から、
ライバル会社の東京スパイラルを買収したいとの相談が受ける。
そのアドバイザーの座につけば、巨額の手数料が入る、
まさにビッグビジネスだ。
早速チームを編成し、企画内容を詰めているところで、
親会社の東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。

担当部長である半沢は、その責任を追及され、またしても窮地に追い込まれる・・・。

ドラマでも次々に襲いかかる難問を、その不屈の精神で乗り越えてみせた半沢。
本書でも半沢が主人公だが、さらに、ロスジェネ世代の部下・森山や、
森山の親友で今回買収される側の東京スパイラルの若き社長らが、
いかにしてこの難問を乗り越えていくか?が読みどころだ。
半沢は、森山の友人を救うため、東京中央銀行の子会社でありながら、
親会社に闘いを挑むことになる。
半沢と森山の八面六臂の活躍で、最後の逆転劇は、ドラマ以上に
「バブル入行組」「花のバブル組」以上に鮮やかだ!
そしてラスト(P362~P365)に森山に語った半沢の想いがかっこいい!泣ける!素晴らしい!

「バブル世代の批判はもうたくさんだ・・・中略 正しいことが正しいと言えること。
ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価される世の中。
そういう世の中をお前たちなら作れる!戦え森山!」
すご~く省略してしまいました。すみません!
この本はロスジェネ世代への応援歌なのだと思います。

物語はすかっと気持ちよく終わります。
エンターティメント作品として申し分なく面白い!

でもこの作品は、生きることとは?仕事は何か?
組織とはどうあるべきか?を深く考えさせれる作品でもあります。
本当に素晴らしい作品。
あのラスト数ページは何度読んでも心に深く刻まれます。

『ロスジェネの逆襲』
著者:池井戸潤
出版社:ダイヤモンド社
価格:¥1,500(税別)