ドラマ化!心ゆさぶる警察ミステリー「刑事のまなざし」

月曜日から始まったドラマ「刑事のまなざし」を観ました。
椎名桔平さんの渋い演技が光っていました。
刑事と言えば眼光鋭く、威圧感たっぷりというイメージが強いですが、
ドラマも原作本である「刑事のまなざし」に登場する夏目刑事は違います。
被害者も加害者に対しても包み込むような優しさで接し、心を開かせていきます。

刑事のまなざし

「刑事のまなざし」は7つの作品が収録された短編集。
「黒い履歴」「ハートレス」「プライド」「休日」「オムライス」
「傷痕」「刑事のまなざし」
どの作品も心に深い傷を持つ人たちが登場する。
過去を忘れ、必死で幸せになろうとする人たち。
しかしその幸せを守ろうと、罪を犯す。
そんな人たちを温かく見守る刑事。それが夏目信人だ。
夏目は、何らかの理由で親と離れて暮らすことになった、
子どもたちの荒んだ心を癒す法務技官をしていたが、
幼い娘が暴漢に襲われ、寝たきりの状態になってしまった。
犯人は捕まっていない。その犯人を見つけるため、
30歳で警察学校に入り、刑事になったのだ。
しかし、それだけではない、夏目の心には複雑な思いが
あった。
そんな夏目が関わっていく事件は、虐待され、14歳で殺人を犯した過去を
持つ青年の周辺で起きた新たな殺人事件、ホームレス殺人、非行犯罪だ・・・。
社会の歪で苦しむ人間たちを温かく、時には厳しく見つめながら真実を探り出す。

今までの警察小説には登場しない、温かさと優しさで罪を見つめる刑事。
心が揺さぶられる、警察ミステリー小説。

『刑事のまなざし』
著者:薬丸岳
出版社:講談社
価格:¥648(税別)