北欧警察ミステリー「刑事ヴァランダー」シリーズが渋い!

次々と面白い作品がが出てくる、北欧ミステリー。
スウエーデンの「刑事マルティン・ベック」シリーズに
続き、人気のシリーズがこの「刑事ヴァランダー」。
その第1作目を読みました!!
面白すぎていっき読みしました。

ヴァランダー

スウエーデンの田舎、小さな村で老夫婦が惨殺された。
知らせを受けた、ヴァランダー刑事とその仲間たちは
現場に駆けつける。その現場は今までにない凄惨な光景だった。
まだ息のあった妻は、「外国人」と言い残して死んでしまう。
1990年代のスウエーデンは、移民をすべて受け入れていたため、国の
移民政策に国民の不満は頂点に達していた。
もし、老夫婦惨殺事件が外国人の仕業なら、
それに不満を持つ過激なグループが、移民地区に
報復しかねない。妻の証言がマスコミに漏れないように細心の
注意をはらったヴァランダーだったが、無駄に終わって
しまった。
そのあと、ヴァランダーのもとに脅迫電話がかかってくる。
3日以内に老夫婦惨殺事件を解決しなければ、
移民地区から死人が出ると・・・・・

ヴァランダーたちは、老夫婦惨殺事件と脅迫事件と
二つの事件を追うことになる。

派手なトリックや、大ドンでん返しのような展開はない。
ただひたすら、地道に捜査する警察の基本が描かれている
なのになぜこんなに面白く心惹かれるのか?

それは、チームで捜査にあたる警察小説の面白さが際立っていること、
さらに登場人物たちの描き方が素晴らしい。
主人公・ヴァランダーの悩みや生き方があまりにもリアルに
描かれているため、とても共感してしまうのだ。
第1作目がこれほど面白いのなら、2作目、3作目はさらに面白さが
増すだろうと、予想できる。
現在9作品が翻訳されて、発売中。
柳沢由実子さんの翻訳も読みやすい!!

『殺人者の顔』
著者:ヘニング・マンケル
出版社:東京創元社(文庫)
価格:¥1,000(税別)